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横浜地方裁判所 平成5年(わ)1521号 判決

事件名

法人税法違反

宣告日

平成五年一一月一〇日

裁判所

横浜地方裁判所第五刑事部九係

裁判官

木下徹信

検察官

村上満男

被告会社

商号

鶴盛工業株式会社

右代表者代表取締役

松本清一

本店所在地

横浜市鶴見区尻手三丁目七九番

(住居表示 横浜市鶴見区尻手三丁目三番六号)

被告人

氏名

松本清一

年齢

昭和六年三月一〇日生

職業

会社役員

住居

横浜市鶴見区東寺尾三丁目五番一四号

本籍

横浜市鶴見区矢向二丁目一〇五六番地

主文

被告人鶴盛工業株式会社を罰金二〇〇〇万円に、被告人松本清一を懲役一年に処する。

被告人松本清一に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

事実

被告会社鶴盛工業株式会社は、横浜市鶴見区尻手三丁目三番六号(登記簿上横浜市鶴見区尻手三丁目七九番)に本店を置き、自動車部品の製造等を目的とする資本金二、四〇〇万円の株式会社であり、被告人松本清一は、被告会社の代表取締役として、同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人松本清一は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空仕入を計上するなどの方法により所得の一部を秘匿した上

第一  昭和六三年一一月一日から平成元年一〇月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額は九、五七九万三、八一四円であり、これに対する法人税額は三、六八〇万九、〇〇〇円であったのにかかわらず、平成元年一二月二七日、横浜市鶴見区鶴見中央四丁目三八番三二号所在の所轄鶴見税務署において、同税務署長に対し、所得金額が三、八四四万六、一八一円であり、これに対する法人税額は一、二七三万五、二〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、正規税額との差額二、四〇七万三、八〇〇円を免れ

第二  平成元年一一月一日から同二年一〇月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額は一億二、一一六万七、一六八円であり、これに対する法人税額は四、四四五万三、八〇〇円であったのにかかわらず、同二年一二月二六日、前記鶴見税務署において、同税務署長に対し、所得金額が五、九九二万五、一三三円であり、これに対する法人税額は一、九九六万二〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、正規の税額との差額二、四四九万三、六〇〇円を免れ

第三  平成二年一一月一日から同三年一〇月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額は一億二、〇二一万二、〇三二円であり、これに対する法人税額は三、九三八万七、七〇〇円であったのにかかわらず、同三年一二月二四日、前記鶴見税務署において、同税務署長対し、所得金額が三、六六八万一、五六二円であり、これに対する法人税額は八〇六万三、六〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告を提出し、正規の税額との差額三、一三二万四、一〇〇円を免れ

もって、いずれも不正の行為により、法人税を免れたものである。

累犯前科 なし。

罰条

被告人会社につき

法人税法一五九条一項、二項、一六四条一項

被告人松本につき

法人税法一五九条一項

刑種の選択(被告人松本) 懲役刑

併合罪の処理

被告人会社につき 刑法四五条前段、四八条二項

被告人松本につき 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条

(犯情の最も重い公訴事実第三の罪の刑に法定加重)

刑の執行猶予(被告人松本) 刑法二五条一項

(裁判官 木下徹信)

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